会頭挨拶

第123回日本皮膚科学会総会
大会テーマ「皮膚のふしぎ Skin More Than Deep」

椛島健治会頭

会頭 椛島 健治
(京都大学医学研究科 皮膚科学 教授)

尊敬する皮膚科学の先生方、ご参加いただく皆様、お世話になっております。私は日本皮膚科学会総会の会頭として、第123回の総会を迎えることを心より嬉しく思います。
2024年6月6日から9日まで、皮膚科学の最新の知見や研究成果を共有し、交流を深めるために、この総会を開催いたします。皮膚科学の進展と共に、今回のプログラムも4日間にわたり、充実した内容をご用意いたしました。

先般、私はドイツ・ベルリンで開催された欧州皮膚科学会(EADV:2023年10月11日から14日まで)に参加し、そこで世界中の熱気と情熱に触れました。EADVの会場では、多くの国々からの参加者が真剣に講演を聴き、質疑応答に参加している様子が印象的でした。これを受け、私たちの総会も国際的かつ魅力的な場となるよう、精一杯の努力を重ねました。

総会プログラムでは、従来の皮膚科の範疇を超え、基礎研究者や国際的な講師にも登壇いただきます。同時通訳を導入することで、言語の壁を取り払い、より多くの方々に参加していただける環境を整備しました。特別講演では、ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生、そして、私の恩師である成宮周先生など、世界の医学の最先端を担う著名な方々にお話しいただきます。

また、私たちは医療界のダイバーシティを促進し、交流の場を広げるために、リラックスした雰囲気での学会を目指しました。ノーネクタイのカジュアルな格好で学会に参加いただき、ポスター討論では気軽にビールやソフトドリンクを楽しんでいただけるよう心掛けています。懇親会(ダンスホールも準備します)やジョギング大会、そしてデルマトオーケストラの演奏会など、学術的な交流だけでなく、心地よい交流の場を提供します。

文化講演では、くまモンや料理の鉄人などの生みの親として知られる小山薫堂さんや、プロゴルフ協会の会長である倉本昌弘さんにお越しいただきます。普段は触れることのない領域に触れ、新たな視点を得ることで、皆様の知識と人生に新たな充実感をもたらすことを期待しています。

皮膚科学は、その醍醐味を疾患の観察や生検によって捉え、理解することができます。皮膚の微細な変化を見ることで、他の科では理解できない繊細な生体反応の複雑さが垣間見られるのです。皮膚は単なる外見だけでなく、その深層に多様な魅力が広がっています。"Skin More Than Deep"という副題に込められた想いを共有し、皮膚の奥深さや魅力を共感いただければ幸いです。

第123回皮膚科学会総会を、皆様にとって有益で楽しいものとなるよう、心よりお待ちしております。京都での学びと交流、そして観光や美食をご満喫いただき、良い思い出となることを願っています。どうぞお楽しみにいらしてください。